お墓について

【散骨】散布の前に考えるべきメリットとデメリットを紹介します

近年では散骨(さんこつ)という葬送が定着してきています。

散骨はお金があまりかからないので、選択する人が多い葬送ですが、実はデメリットもあるのです。

今回は散骨にあるメリットとデメリットを紹介します。
メリットだけに目が行きがちですが、散骨におけるデメリットはやり直しが効きません。

散骨後に後悔してしまう可能性もありますので、散骨を検討中の方はメリットだけでなく、デメリットもしっかりと読んでいただきたいと思います!

メリットはもちろん重要ですが、デメリットは特に考えていただきたい部分です。しっかり読んで参考にしてください。
この記事でわかること

・散骨とは
・散骨にある4つのメリット
・散骨にある2つのデメリット

散骨とは

散骨とはお墓を立てず、遺骨を粉骨(骨を粉状にすること)し、海や山といった自然の中に散布することをいいます。

近年ではお金がかからない、墓守が必要ないといった理由から一般的に定着してきています。

散骨のメリット

散骨は、お墓などではできない散骨ならではのメリットがあります。

お金があまりかからない

散骨は、亡くなった人の遺骨を山や海などに散布し、亡くなった人を自然に戻すものです。

散骨をする場合は、遺骨を粉状にするための粉骨費用と散骨費用がかかりますが、お墓を建てるよりも大変安く、数万円程度で行う事ができます。

また、お墓を持たないのでお墓の管理費・維持費などを支払う必要はありません。

一周忌などの法事も、カジュアルな食事会程度で済ませる事ができるので、散骨は長い目でみても低コストで済ませる事ができますよ。

後継ぎを心配する必要がない

お墓の墓守は、基本的に各家の子供達が代々守っていくものとされていますが、散骨する事で墓守りの後継者を考える必要もなくなります。

墓守をすることは経済的にも負担がかかることです。
現在では「結婚はしない」という方も増えているので、子供に負担をかけたくないといった理由から散骨を希望する人も多くいるようです。

住む場所を自由に決められる

散骨をする場合は、お墓を持つ必要がないので、お墓がある地域に住む必要もありません。

遠くに住んでいる場合でも、お墓のためにわざわざ帰省しなくてよいので、お墓の様子を心配する必要もなく、気持ちの上で楽になる事ができます。

お寺や霊園が無くなっても大丈夫

現在ではお寺や霊園なども経営が厳しいところがあり、実際に経営破綻してしまったお寺や霊園なども多くあります。

お墓があるお寺や霊園が破綻した場合は、新しいお墓を別の場所に建てる必要があり、時間もお金も使ってしまいますが、散骨していればお墓や霊園がなくなっても心配する必要はありません。

散骨のデメリット

散骨はお墓を持たない分縛りが少なく、メリットが多いですが、意外とデメリットもあるのです。

散骨をすることで起こるデメリットは、散骨をしてしまったら2度と行うことができないものなので、後悔しないためにも一度は必ず考慮してください。

遺骨を残す事ができない

散骨は遺骨を自然に還すのがモットーですが、遺骨を自然に還すこということは、遺骨が手元に残らないことを意味します。

遺骨が残らないことから、散骨したらお終いといった感覚が強いようで、亡くなった人との繋がりを薄く感じてしまうこともあるようです。

一度散骨してしまうと遺骨を回収することはできませんので、少しでも遺骨を残しておきたいと考えた方は散骨を今一度考えた方が良いです。

お墓参りができなくなる

散骨はお墓に属さないものであり、遺骨を自然に還すものです。

遺骨をお墓に収めることがないため、お墓は必要ありませんが、その分お墓参りもする事ができません。

散骨した場所はあっても、これといったお参りの場所がないのも散骨の特徴です。
「この場所に遺族が眠っている」という明確な供養場所がないため、お花を供えたり、お線香を立てて手を合わせることもできないといったデメリットもあります。

まとめ

散骨にはメリットだけでなくデメリットもあります。

お金があまりかからない、お墓を建てる必要がないといったメリットは、とても魅力的ですが、一度散骨してしまうと、「遺骨を手元に戻す事ができない」「お墓参りができないといったデメリットが発生します。

散骨はやり直しが効くものではありませんので、散骨後に後悔しないためにも「本当に散骨していいのか」をしっかりと考えておくことが大切でしょう。

散骨は亡くなった人の意思や、他の家族の意見も取り入れながら決定することが必要ですね。

 

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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