お墓について

【葬送】自分で散骨ができる場所は3種類ある

散骨は、近年新しい葬送方法として認知されはじめており、お墓といった固定の場所を持たないので、残された家族に負担が掛からないように、生前から散骨を希望している方も多いようです。

散骨は一般的に、散骨場に依頼して散骨の場所を提供してもらうのですが、実は自分たちでも行う事ができるのです!

今回の記事では、自分たちで散骨ができる場所を3つ紹介していきます。

・散骨を自分でしようか迷っている
・散骨ができる場所を知りたい
・散骨を自分でする際の注意点は?

以上の疑問を解消する事ができる記事となっていますので、散骨について気になっている人は最後まで読んで参考にしてください!

自分で散骨をする場合は注意すべき点が多いです。トラブルにならないためにもしっかりと予習しておきましょう。
この記事でわかること

・散骨とは
・散骨を自分でする際の注意点
・自分で散骨ができる3つの場所

散骨とは

散骨とは遺骨を粉状(粉骨)にし、遺骨を散布して自然に還すことをいいます。

散骨は埋葬ではない

散骨は遺骨を散布することであり、埋葬ではありません。

墓地や埋葬に関する法律には以下のようなものがあります。

 第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

引用元 厚生労働省 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)

散骨は場所によって許可されていますが、埋葬は墓地以外の場所で行ってはいけません。

勝手に遺骨を埋葬することは違法行為になるので、散骨する場合は必ず遺骨を散布し、間違っても埋葬しないようにしましょう!

粉骨は必須

粉骨とは、遺骨を粉状にすることです。

散骨のマナーには、遺骨を2mm以下まで粉骨するといったものがあります。

このルールは、散骨時に散布したものが骨だとわからないようにするもので、短期間で遺骨が自然に還るように考えられたものです。

あきらかに骨であると思われた場合は、なんらかの事件性があると誤解される場合もあります。無駄な誤解を招かないためにも、遺骨を散骨をする際は必ず粉骨をしましょう。

粉骨は業者に依頼することもできますが、自分で行うこともできます。

自分で散骨ができる3つの場所

自分でする散骨は、現在以下の3つの場所でする事ができます。

散骨を自分でする場合は、業者に依頼するのとは違い、注意しなければならないところがありますので、トラブルを招かないためにもしっかりと理解しましょう。

  1. 所有の土地

①所有の土地

他人が所有している土地では無理ですが、自分が所有している土地でなら散骨することはできます。

特に自宅などは故人との思い出も深い場所ですので、散骨の候補の一つとして考慮したいところですね。

しかし所有の土地で散骨する場合は、近隣住民の合意が必要となります。

「自分の土地なんだから勝手にしていいんじゃないの?」と考えるかもしれませんが、散骨したものが風で飛ばされて近隣に迷惑をかける可能性は否定できません。

近隣トラブルを抱えないためにも、散骨の許可はしっかりと取りましょう!

所有地で散骨をする場合

・場所代はかからない(遺骨を粉状にする費用がかかる)
・近隣住民からの同意が必要

遺骨を粉状にすることを粉骨といいます。
粉骨は散骨をするための必須条件ですので必ず行いましょう。

②海

散骨をする場所として、『海』を選択することもできます。

しかし、海ならどこでも良いというわけではありません。

海での散骨は、基本的に『沖合い』で行いますが、漁業などに影響が出ない場所を探す必要があります。

人通りが多い場所(海水浴場などの観光スポット)も禁止されているので、海で散骨する場合は、場所の選定に時間をかける必要があるでしょう。

海で散骨する場合

・場所代はかからない(遺骨を粉状にする費用がかかる)
・周りに人がおらず、漁業にも影響が出ない場所を探す

遺骨を粉状にすることを粉骨といいます。
粉骨は散骨をするための必須条件ですので必ず行いましょう。

散骨といえば海のイメージが強いですが、基本的には散骨場に依頼したもので、業者が定めた場所で行われています。自分で散骨をする場合には場所をしっかりと考える必要があるので、「お金はかからないが、時間はかかる」ことを頭に入れておきましょう。

③山

自分で散骨をする場所の一つとして、山を選択することもできますが、海での散骨と同じように、どこでもしてよいわけではありません。

山での散骨は、山を誰が所有者しているかがキーポイント

所有者の違いによって散骨の可不可が決まってきますので、散骨前には必ず確認が必要です。

山で散骨をする場合

・場所代はかからない(遺骨を粉状にする費用がかかる)
・山の所有者の違いによって可不可が異なる

遺骨を粉状にすることを粉骨といいます。
粉骨は散骨をするための必須条件ですので必ず行いましょう。

自分が所有する山

自分が所有する山では散骨が認められています。

しかし近くに水源がないことが条件であり、どこでも散骨してよいというわけではありません。

国有地の山

国が所有する山での散骨は、管理者の許可が必要です。

他人が所有する山

他人が所有している山では、基本的に散骨は認められていません。

山を所有されている方の許可があれば、散骨も可能となりますが、近くに水源がない事が必須条件となります。

散骨場に依頼するのがオススメ!

散骨は自分でも可能ですが、一番良いのはやはり散骨場に依頼する事です。

散骨の場所を探す必要もなく、トラブルに繋がる危険性もないので、無駄な心配をすることもありませんし、粉骨を自分で行ったり、散骨だけを依頼する必要もありません。

業者に依頼することで、散骨する場所の幅を広げるといったメリットもありますので、散骨を検討している方は、まず散骨場への依頼を検討しましょう。

まとめ

散骨は自分でも行う事ができます。

お金をかける必要がないので魅力的に感じますが、その一方で様々な条件をクリアする必要があります。

場所を探したり、許可を取りに行ったりとしなければならないので、時間を浪費しますし、場合によってはトラブルになることも考えられます。

自分の負担を軽くすることも考えて、まずは散骨場への依頼を検討し、自分で散骨するのは最終手段として考えるのが良いでしょう。
ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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