お寺のこと

【お寺あるある】長男として生まれた私が寺院ならではの話を紹介

お寺に住むと、一般家庭とは違った生活環境に身をおくことになります。

一般の人々にはありえないことも多く、お寺だからこそ感じる話も多いです。

今回は、お寺で生まれ育った私がお寺ならではのあるある話を紹介していきます。
「お寺で生活するとこんなこともあるんだ」と、新しい発見もあるのでぜひ最後まで読んでください。

この記事でわかること

・お寺ならではの話(お寺のあるある)

お墓が全く怖くない

お寺の敷地内には、一角にズラッとお墓が並んでいる場所(寺院墓地)があります。

お墓といえば、「幽霊が出る」「不気味」「近寄りがたい」といった印象から怖い所と思われがちですが、お寺に住んでいる人たち(寺族)にとっては全く怖い所ではありません。

むしろお墓は、地域の檀家さんのご先祖様などが眠っている「神聖な場所」として認識しており、お墓もお寺の一部と考えています。

神社だと勘違いされる

お寺に住んでいると、お寺と神社の違いがよくわかっていますが、一般の人によっては「ここ神社ですか? どんな神様を祭っているんですか?」と、神社と勘違いして足を運ぶ人も多いです。

一般家庭ならば、自宅を神社と勘違いされることはまず考えられませんが、お寺に住んでいる人にはよくある話。

「お寺なので、神様は祭られていませんよ。」と言うと、「そうなんですかー。」と言われてその場を離れる人もしばしばです。

停電になってもロウソクが大量にあるから安心

停電になると家の中が真っ暗になって困る。

なんて話はよくあることですが、お寺にはロウソクが大量にあるので、停電になっても慌てることなく部屋を明るくすることができます。

地域の家々に非常用として、ロウソクを配るお寺もあり、計らずも停電によって地域に貢献できることも。

ロウソクは、お寺の必須アイテムですので、他の家にはない停電対策と言えるでしょう。

家族全員がお経を唱えられる

お寺といえば、外せないのがお経です。

お経はお坊さんや住職が唱えるイメージがあるので、「僧侶しか唱えられない」と思われがちですが、お寺では奥さんや子どもまで寺族全員が唱えることが可能です。

もちろん難しいお経は、お坊や住職しか唱えることはできませんが、比較的簡単なお経は、お坊さんや住職が唱えるのを自然と覚えてしまうため、住職が不在の時は代わりに奥さんが朝・夕のお経をあげることもあります。

掃除用具が豊富

お寺は敷地が広く、掃除にはかなり労力を使います。

お寺の中はだけでなく、庭の手入れもしなければならないので、少しでも円滑にするために掃除用具には様々なものがあります。

中でも、落ち葉を一気にはくための「竹箒(たけぼうき)」はお寺ならでは。

境内の砂利の上に落ちた、大小様々な葉っぱをはくには、小さなほうきでは時間がかかりますが、大きな竹箒を使えば比較的短時間で掃除が可能です。

しかし、竹箒はプラスチックのほうきよりも壊れやすいため、お寺には壊れた竹箒が多く、実は最も処分されにくい掃除道具でもあります。

男の子が生まれると安心する

寺族内で男の子が生まれると「後継(あとつぎ)ができた!」と安心されます。

これは、お寺の人たちよりも、地域の檀家さんや信者さんが安心することが多く、長男であれば、生まれた時点でお寺の次の住職として期待されます。

お寺側からすると、女の子でも男の子でも嬉しいものですが、檀家さんや信者さんからすると、

「私たちのお寺はどうなるの?」「知らないお坊さんが後をとるの?」

といったお寺の後継に対する不安があるので、自分たちがよく知っているお坊さんの息子に後をとってもらいたいという願いから、「息子が生まれた」となると大変安心されるのです。

まとめ

お寺で生活すると、一般家庭とは違ったあるある話が存在します。

今回は、お寺全体を通して紹介しましたが、宗派によってはより多くのあるあるも出てくると思われますので、興味がある人は周りのお坊さんにも聞いてみるとよいでしょう。

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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