僧侶向け

お坊さんは消防団に入るべき?入団するメリットとデメリットを紹介!

消防団は基本的にボランティアの団体ですが、過疎化が進んでいる田舎の方では人員の確保が難しいため、入団を求める勧誘が多くあります。

昔はお寺のお坊さんが勧誘されることはありませんでしたが、現在ではお坊さんにも消防団へ入団して欲しいという声が多いのが実情。

そこで今回は、お坊さんが消防団に入団することのメリットと、デメリットを紹介します。

実際に消防団に入団したお坊さんの話を元にしているので、消防団に入るべきか悩んでいるお坊さんはぜひ参考にしてください!
この記事でわかること

・お坊さんが消防団に入ることのメリット
・お坊さんが消防団に入ることのデメリット

消防団とは

消防団は各自治体の火災の予防や消火を目的に、設置されたボランティア団体です。

各地域によって異なるが、基本的には18歳以上で入団が可能で、毎月1回は必ず集まりがあります。

お坊さんが消防団に入るメリット

まずは、お坊さんが消防団に入団することのメリットを紹介しましょう。

地域の人との仲間意識が生まれる

お坊さんは普段意識していませんが、一般の方からみると、お寺やお坊さんというのは少しお堅いイメージがあり、関わるのにちょっと気を使っているところがあります。

これは昔からお寺は敷居が高いというイメージがあるからです。

消防団に入ることで地域の方との交流が増えるので、「お寺はお堅い」といったイメージが払拭され、地域の方とお坊さんの中に地域の一員としての仲間意識が生まれるメリットがあります。

お坊さんが入ってくれたと喜んでもらえる

先ほどの話にもありましたが、同じ地域に住む人からしても「お坊さんは敷居が高い」といったイメージがあります。

そのためお坊さんに消防団の勧誘をすることは最後の手段。

できるだけ地域に住む若い人を勧誘しますが、人員が少ないと人を選ぶこともできなくなってくるので、最後はお坊さんに入団をお願いしなければならないのです。

正直なところ勧誘する方もダメ元で入団のお願いをしています。。。

なので、お坊さんに「入団しますよ。」と言われるととても嬉しい!

ただでさえ人手不足で困っているところに、お堅いと思っていたお坊さんが入団してくれるのですから、地域の人は感謝しかありません。

「うちの消防はお坊さんがいるから、何かあった時(火災時)でもすぐにお経唱えてもらえるわ。」なんてジョークを言われたりもします。

お坊さんが消防団に入るデメリット

お坊さんが消防に入ることは、決して良いことばかりではありません。

入団後に気を使うことも多いので、入団を決意する前には必ずデメリットも考えましょう。

僧侶のイメージがあるので冗談が難しい

消防団員になると、定期的に消防団の集まりに参加する必要があります。(消防団はボランティアですが、集まりには半強制的な雰囲気あり)

団員は男性だけのところが多く、飲みの席となると下ネタなどの話が毎度のように始まるのですが、このような話に対してどのようなリアクションを取るかが大切です。

度が過ぎた返しをしてしまうと、周囲に言いふらされる可能性もありますし、返さなければ「坊さんはノリが悪い」とも言われかねません。

もちろんお坊さんのキャラクターにもよりますが、折角消防に入団して「お寺の評価が下がった」なんてことは避けたいところなので、冗談(特に下ネタ)にはとても気を使います。

集まりに参加しないとイメージダウン

消防はあくまでもボランティアですが、集まりに参加しないと悪いイメージを持たれることもしばしば。

お彼岸やお盆などのお経回りは、事前に集まりに行けないと伝えることもできますが、お坊さんである以上は、急な葬儀や法事に行かなければなりません。

急に行けないことが多いと「坊さんは全然あてにならない」なんてことも言われてしまいますので、入団前には必ず「葬儀などで、急に行けなくなることもあります。」と伝えておくことが必要でしょう。

まとめ

お坊さんが消防団に入団することには、一般の方とは違ったメリットやデメリットがあります。

消防団員と上手に付き合うことができれば、お寺のプラスに働きますが、下手に付き合うとお寺のマイナスイメージに繋がってしまうこともありますので、勧誘されたら「自分はちゃんとできるのか。」をしっかりと考えることが必要です。

また、自分には無理だなと感じた場合は、しっかりと断ることも大事です!

生半可な気持ちで入団すると、他の団員に迷惑をかけることにもなりますので、無理な場合は無理としっかり言いきりましょう。

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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