「納棺師って実際どんな仕事しているんだろう?」と考えている人も多いのではないでしょうか。
納棺師の仕事といえば、亡くなった人へのメイクが代表的ですが、納棺師の仕事は意外と多く、実はお葬式までの間に様々な業務をこなしているのです。
そこで今回の記事では、納棺師が行う仕事の内容を詳しく紹介させていただきます。
「納棺師ってそんなこともしてるの?」といった意外な仕事内容も知ることができるので、納棺師の仕事が気になった人はもちろん、納棺師を目指しているもぜひ最後まで読んでください!
・納棺師の仕事場所
・納棺師の仕事内容
目次
亡くなった人の自宅や霊安室などでメイクや湯灌業務
納棺師は亡くなった人が安置されている場所に出向きメイクや湯灌業務を行います。
業務でやることは基本的に同じですが、亡くなった人の状態や、遺族の希望によっては少し違ったことをすることも多いです。
体を洗い清める湯灌業務(ゆかんぎょうむ)
まず納棺師が現場でするのが「湯灌(ゆかん)」です。
湯灌とは、亡くなった人をお風呂に入れて頭や顔を洗い、ヒゲや顔まわりの生毛を剃ったりして亡くなった人の体をキレイにすることを言います。
亡くなったとはいえ、病院に入院していた方や寝たきりだった方にとっては久しぶりのお風呂なので、遺族の方の中には「久しぶりにお風呂に入れてよかったね」と言葉を投げかける方も多いです。
また、亡くなった人の状態によっては体に傷がある場合もあるので、お風呂に入れる際には「どのような処置をするか」といった体の状態確認もされています。
遺体の欠損部や傷口のカバー
体を清めた後には、傷口や欠損部などのカバーを行います。
点滴後などの小さな傷口は、液体やガーゼなどで閉じてしまいますが、亡くなった人の中には足や手が無いといった方も。
遺族の方に「足が無いけどなんとかキレイに見せられないかな?」と言われた場合は無くなった体の一部をワタで再現するというケースもあり、様々な工夫や技術で損傷部のカバーをすることも少なくありません。
洋服や着物への着替え
亡くなった人の衣類の着替えも納棺師の仕事です。
最近では「気に入っていた服を着させてあげたい」という遺族の要望が多く、各現場によって着替えるものに違いが出ています。
スーツや着物、洋服などはもちろんですが、中には他の国の民族衣装が用意されていることもあり、着せ方に困惑してしまうことも。
しかし、納棺師にとっては知らない衣類でも、亡くなった人にとっては思い入れのある一着なので、遺族の方に着せ方を聞いたりその場で調べて対応することが多いです。
鼻や耳、のどや口の中にワタを詰める
メイクの前に必ず行うのがワタ詰めです。
ワタ詰めは、体の中にある体液が外に出ないようにするもので、亡くなった人のキレイな状態を維持するためにも必要な業務です。
口の中に詰めるワタの量によっては、亡くなった人の表情が変わってしまうことがあるので、口の中のワタはあくまで自然な表情になるようワタの量を慎重に調整します。
顔の表情作り
顔への詰め物が終わった後は、亡くなった人の顔の表情をつくっていきます。
表情の作り方によっては、「なんか怒っているように見える」「どこか悲しそうだね」といった見え方になってしまい、亡くなった人と遺族の別れにモヤっとしたものを残してしまうこともあるため、集中して慎重に行っていきます。
特に口元と目元は、ちょっとした角度で印象が変わってしまうので、手ではなくピンセットで調整されています。
メイクは一番最後
表情が終わって最後にするのが亡くなった人のメイク。
メイクは女性がする一般的なメイクとは異なり、血色の良い生き生きとしたメイクを心がけています。
亡くなった人の元気だった頃を思わせるメイクを作るので、昔の写真を参考にすることも多く、最後のお別れの際に「まるで寝ているみたい」とか「キレイな顔だねー」と言われるのが理想です。
セレモニーホールなどで納棺式
納棺師の仕事現場は自宅や霊安室だけではなく、セレモニーホールや葬儀場といった場所で行われる納棺式も業務の一つ。
お葬式の前に行われる納棺式では、納棺式の司会や亡くなった人の旅支度のお手伝いを行い、亡くなった人と遺族のお別れをサポートしています。
まとめ
納棺師は亡くなった人のメイクが代表的ですが、他にも様々な業務を行っています。
納棺師の業務は、亡くなった人をキレイにすることが主でありで、亡くなった人だけでなく、遺族にとっても悔いが残らないお別れができるようにするのが目的です。
どの業務も細心の注意をはらって行う必要があるので、納棺師は気を抜くことができませんが、一つ一つの業務がしっかりとできるからこそ、「よいお葬式」にも繋がります。
黒子のような存在の納棺師ですが、実はお葬式に大きな役割を持っているのです。