『神社仏閣』という言葉があることから、神社とお寺は同じと考えてる人が多くいますが、実際は信仰対象の違いから、参拝方法の違いまでとお寺と神社では、様々な違いがみられるのです。今回は神社とお寺の違いを4つ知っていただき、神社とお寺を身近に感じていただきたいと思います。
目次
神社とお寺の4つの違いとは
- 信仰対象、神様と仏様の違い
- 神道と仏教による宗教の違い
- 鳥居と門の違い
- 神社とお寺では参拝方法が違う
①信仰対象、神様と仏様の違い
神社とお寺ではまず、祀られている信仰対象に違いがあります。この違いによって他のものにも違いが出てくるので、是非知っておきましょう。
神社は「神様」
神社に祀られているのは『八百万の神(やおよろずのかみ)』です。日本独自の神様であり、天照大神(あまてらすおおみかみ)や、須佐之男命(すさのおのみこと)、月読命(つくよみのみこと)を代表に、800万もの神様がいるとされています。
ちなみに800万という数は、「数えられない程の数」を表しており、自然界や生活の中に宿っているとされています。
お寺は「仏様(ほとけさま)」
お寺に祀られているのはお釈迦様(おしゃかさま)をはじめとする、如来(にょらい)や菩薩(ぼさつ)といった仏様です。神様とは違い、インドから中国を経由して日本にやってきました。
元はインドや中国で生まれた仏様ですが、日本に広まる中で『神様と合体(神仏習合)』し日本独自の姿を遂げた菩薩、神様が祀られているところもあります。
②神道と仏教による宗教の違い
神様と仏様に違いがあることから、宗教として様々な違いが出てきます。まずは基本的な宗教の違いを見ていきましょう。
神社は『神道』
神社は神道(しんとう)という日本古来の宗教の信仰の場所です。祀っているものは『御祭神(ごさいじん)と言い、仏像などのように形を模したものではなく、鏡や、石など自然なものです。 これは「八百万の神は自然に宿っている。」と考えられていることから来ている『自然崇拝(しぜんすうはい)』、自然に感謝し自然に学ぶ。に基づいた考え方であり、神道の特徴でもあります。
お寺は『仏教』
お寺は仏教徒の拠り所であり、学びの場所でもあります。
仏教は人のまま悟りを開いたお釈迦様の教えを学び、実践するものとしてインドで誕生しました。インドから中国、日本に渡ることで様々な考え方、解釈が行われ色々な宗派が誕生しています。宗派によって考え方や教義に違いが見られますが、どの宗派も根底に『衆生救済(しゅじょうきゅうさい)』人々を助ける事をテーマに掲げているのが特徴です。
③鳥居と門の違い
神社の社(やしろ)の前には必ず鳥居(とりい)がありますが、お寺にはありません。逆に、お寺の前には門(山門や仁王門など)がありますが、鳥居はないのです。
鳥居は神の世界である神社の敷地内と、神社の敷地外である人の世界の境界線を示すものであり、神の世界への入り口としての役割があります。お寺の門は『門』の種類によって意味が異なりますが、基本的には神社のように、門の内側にあるお寺の敷地内は、『仏様と向き合う場所』、敷地外は『人の世界』と言った考え方がされています。
④神社とお寺では参拝方法が違う
神社とお寺の違いの中でも特に知っていただきたいのが、参拝方法の違いについてです。
・二礼二拍手一礼(お辞儀を2回して2回手を叩き、最後にお辞儀を一回行います。)
*神社によっては違う場合もあります。出雲大社は二礼四拍手一礼
・合掌(手合わせ)をし、最後に一度お辞儀をします。
まとめ
神社とお寺は『神社仏閣』と言われ一括りにされていこともありますが、神道と仏教として考えると様々な違いが見られます。近年、神社仏閣における御朱印帳集めが人気になっていますが、せっかく御朱印を求めて行くのでしたら、神社とお寺の違い、宗派による違いを頭の片隅に置いて散策を楽しんでいただきたいと思います。それぞれの特徴を知って神社と仏教を更に身近に感じていきましょう。