仏教

恐すぎる!実は地獄には8つの種類があった

悪いことをすると「地獄に落ちる」。

地獄と言う言葉を誰もが一度は聞いたことがあると思います。

意外と知られていませんが地獄は1つではなく、生きていた時に犯した罪によって8つの種類の地獄(八大地獄)に分けられ、各種類の地獄に応じて受ける罰も変わるのです。

今回の記事では8つの地獄の種類と各地獄で受ける罰。そして、生きている時にどの様な罪を行うと地獄に行くことになるのかを細かく紹介します。

特に地獄の罰については、誰もが地獄に絶対行きたくない!と感じる内容になっていますので、「地獄なんて余裕でしょ。」と地獄を軽く考えている強気の方にも必見です。

地獄を知ることは、自分の心と生活を改める効果が期待できます。大人だけでなく、育ち盛りの子供の教育にも活かせるので、話のネタに覚えておいて損はありませんよ。
この記事でわかること
  • 八大地獄とは何か
  • 各地獄における裁き
  • どんな罪を犯すと各地獄に行くのか

八大地獄(はちだいじごく)とは

八大地獄(はちだいじごく)は、8つに分けられる地獄を1つにまとめた呼び方です。

生前に行った罪によって行く地獄が異なり、罪を償うために各地獄で裁きを受ける。

八大地獄は私たちが住む地上の下にあり、地上を基準に地下1階〜地下8階までの階層で造られているとされています。

地獄の階層と名前
  • 地下1階
    等活地獄(とうかつじごく)
  • 地下2階
    黒縄地獄(こくじょうじごく)
  • 地下3階
    衆合地獄(しゅごうじごく)
  • 地下4階
    叫喚地獄(きょうかんじごく)
  • 地下5階
    大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)
  • 地下6階
    焦熱地獄(しょうねつじごく)
  • 地下7階
    大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)
  • 地下8階
    阿鼻地獄(あびじごく)

各階層ごとに

  • 何をした人が行くところか?
  • 受ける罰

が異なります。

詳しく見ていきましょう。

地下1階・等活地獄(とうかつじごく)

生き物を殺した
罪人通しの殺し合い

等活地獄(とうかつじごく)は地上から見て地下1階に位置する地獄です。

等活地獄には、生前(生きていた時)に虫や動物、人などの生き物を殺した人たちが堕とされ、殺した罪を償うべく罰を受けます。

「虫も殺したらいけないの!?」と考える方が多いですが、虫も命ある物ですから例外ではありません。

他の7つの地獄でも殺した罪による罰を受ける必要があるので先にお話しておきますが、
『殺した罪』は生き物をどの様な気持ちで殺したか。と言う心のが大きく影響します。
仕方なくではなく、殺しを楽しんだりすることは明確な殺しによる罪となりますので、虫や動物であっても無駄に手をかけてはいけません。

等活地獄の罰

等活地獄での罰は、生き物を殺した罪人通しの殺し合いです。

殺し合いに生き残っても、地獄の番人である鬼に無残に殺されるので生き残ることは不可能。

しかも死んだら終わりではなく、風が吹いたら強制的に息を吹き返し、殺しの罪から解放される500年までもの間、ずっと殺し合いをさせられます。

地獄での1日は現世の500日ですので、地獄の500日は約9,100万年。まさに途方もない殺し合いです。絶対等活地獄にいきたくないですね。

地下2階・黒縄地獄(こくじょうじごく)

殺しに加えて、盗み
ノコギリで1000年切断

黒縄地獄(こくじょうじごく)は等活地獄の下、地下2階にある地獄で、生前で犯した殺しに加えて、盗みをした人を裁く地獄です。

黒縄地獄の罰

黒縄地獄の黒縄は、大工さんが真っ直ぐの線を書く際に使用する大工道具の一つ。
黒縄地獄での罰は、番人である鬼が罪人の体に無数の線を描き、線の通りに罪人の体をノコギリでギコギコ、ゴリゴリと切断していくものです。

もちろんどんなに謝っても鬼は許してくれません。
死んでも風が吹いたらまた生き返ってしまうので、苦痛が終わることもなく、地獄の時間で1,000年続きます。

地下3階・衆合地獄(しゅごうじごく)

性行為による快楽に溺れる
カミソリだらけの木の登りを2000年

衆合地獄(しゅごうじごく)は地獄の地下3階。生前に殺しとを盗みだけでなく、性行為による快楽に溺れた罪人が裁かれる地獄です。

衆合地獄の罰

衆合地獄では木の上にいる美しい男や女が、罪人を誘惑してきます。
罪人は心にこびり付いた快楽への欲求から、木の上にいる美しい異性を求めて木を登りますが、木の枝や葉っぱはカミソリでできているため、身体中を傷つけ、血だらけになりながら木の上を目指します。

しかも木を登っている最中には鉄に潰されて殺されたりと予想外の死が何度も罪人をおそう。
やっとの思いで木を登りっきったと思ったら、美しい異性は木の下に移動していたりと、辿りつくことも一生ありません。

カミソリだらけの木の登りが、衆合地獄の刑期である2,000年まで続くのです。

地下4階・叫喚地獄(きょうかんじごく)

殺し、盗み、性的快楽とお酒を飲んでいた罪人
熱湯が入った大釜に入れられたり、お酒の代わりに溶けた鉄を口に流し込まれる

叫喚地獄(きょうかんじごく)は生前に殺し、盗み、性的快楽とお酒を飲んでいた罪人が罰を受ける、地獄の地下4階。

自分がお酒を飲んでいなくても、お酒を他人に飲ませて悪いことをさせたりと、お酒にまつわる悪いことを仕向けた人は叫喚地獄に該当する罪人となります。

叫喚地獄の罰

叫喚地獄は刑期4,000年。
耐えることができない熱湯が入った大釜に入れられたり、お酒の代わりに溶けた鉄を口に流し込まれます。

悲鳴をあげたり涙を流すほど、叫喚地獄の鬼は怒り出し、罪人の体を弓矢で貫いたり、鉄の棒で罪人を粉砕。

慈悲と言う言葉はなく、悲鳴をあげることさえ許されません。

地下5階・大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)

殺し、盗み、性的快楽と飲酒、更に嘘をついた罪人
熱湯が入った大浴場とも言える大きな釜に入れられたり、グツグツの暑い鉄ばさみで舌を抜かれる

大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)は殺し、盗み、性的快楽と飲酒、更に嘘をついた罪人が向かう地下5階の地獄です。

大叫喚地獄の罰

大叫喚地獄での罰は叫喚地獄の10倍もの苦しみだと言われ、刑期も8,000年と叫喚地獄の倍の数字になります。

叫喚地獄の釜よりも大きい、熱湯が入った大浴場とも言える大きな釜に入れられたり、グツグツの暑い鉄ばさみで舌を抜かれたりと、鬼による罰に拍車がかかる。

地下6階・焦熱地獄(しょうねつじごく)

殺しや盗み、性的快楽に溺れ、飲酒と嘘をついたこと、そして道徳に反する誤まった宗教
灼熱の炎で常に体を焼かれる

地獄の地下6階、焦熱地獄(しょうねつじごく)では、殺しや盗み、性的快楽に溺れ、飲酒と嘘をついたこと、そして道徳に反する誤まった宗教や思想を広めたり、実践した罪人が裁かれます。

焦熱地獄の罰

焦熱地獄の罰は灼熱の炎で常に体を焼かれるものです。

ただ燃やされるだけではなく、鉄の串で体を串刺しにさ、目をえぐり出されたり耳を引きちぎるなど体の解体が16,000年も行われます。

地下7階・大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)

7つの罪
体を火の海に投げ込まれる(32,000年)

大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)は殺しや盗み、性的快楽に溺れること、飲酒や嘘、誤まった考えの宗教や思想の布教や実践を行い、更に尼さん(女性のお坊さん)や幼児を犯した罪人が裁きを受ける地下7階の地獄です。

大焦熱地獄地獄の罰

大焦熱地獄地獄の苦しみは、焦熱地獄地獄の更に10倍。
人間では耐えることができない極限の恐怖心を常に与えられ、体を火の海に投げ込まれます。
罰を受け、死んでは生き返るを繰り返し、32,000年という途方のない歳月を過ごさなければなりません。

地下8階・阿鼻地獄(あびじごく)

7つの罪と徳が高い聖人を殺した罪
無間地獄(むげんじごく)

阿鼻地獄(あびじごく)は大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)の7つの罪と、徳が高い聖人を殺した罪、合計8つの罪を背負った罪人が裁きを受ける地獄の最下層。

しかも阿鼻地獄は地上から最も離れている最下層の地獄であることから、地上から阿鼻地獄まで落下移動して2000年かかります。

阿鼻地獄の罰

阿鼻地獄は、無間地獄(むげんじごく)とも言われており、刑期中は罰が止む間が一秒もなく64,000年続きます。

番人である鬼から舌を引っこ抜かれたり、串刺しにされるだけでなく、阿鼻地獄に存在する無数の蛇や虫などからも罰を受け続けるため、恐怖や悲鳴が止まることはありません。

阿鼻地獄以外の7つの地獄が幸せに感じるほどの苦痛が阿鼻地獄にはあると言います。
言葉にできないほどの絶望が待っているので、絶対に行きたくはありませんね・・・。

まとめ

今回の記事で八大地獄が想像以上の地獄であることが伝わったと思います。

考えてみると、八大地獄行きは殺しをおこなった人が行く地獄であることがわかってきました。

殺しをした人が盗みや、嘘、強姦などの罪を重ねていく程に階層が下がって行くのが八大地獄。

殺しをしてはいけないのは、人だけでなく全ての生き物に通じることです。
八大地獄行きは、虫や動物を殺す人々には他人事ではありませんので、今一度命を尊ぶことを考え直していただきたいと思います。

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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