葬儀について

【お葬式のマナー】葬儀で使ってはいけない忌み言葉の3種類とは

お葬式においては、服装や身だしなみに気を使うことは当然ですが、お葬式の会話の中では言葉使いにも注意をしなければいけない、忌み言葉というものがあります。

忌み言葉はお葬式だけでなく、結婚式などでも考える必要がある言葉ですが、どちらの場面でも使ってしまうと「マナーがなっていない」と思われることは必須。

特にお葬式という「死」が関わった場所では、更に不幸を呼んでしまうこともあるので、遺族の方へのあいさつだけでなく、会場での会話にも気を使わなければなりません。

今回の記事では、お葬式での場面で使ってはいけない忌み言葉の3つの種類と、具体的に使ってはいけないワードについて紹介していきます。

忌み言葉を避けた正しい言い回しや、宗教によって使ってはいけない言葉なども紹介していきますので、お葬式に参列する際の参考にしてください。

この記事でわかること

・忌み言葉とは
・使ってはいけない忌み言葉の3種類
・宗教によって変わる忌み言葉
・忌み言葉の正しい言い回し

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忌み言葉(いみことば)とは

忌み言葉とは、簡単にいえば縁起が悪い言葉のことで、穢れ(けがれ)を避けるために使ってはいけない言葉のことを指します。

結婚式で「別れる」と言ったり、受験生に「落ちる」という言葉を使うのも忌み言葉に含まれており、験担ぎ(げんかつぎ)や願掛けの対義語とも考えられます。

忌み言葉は日本独自の言霊からきている

日本には、「言葉には魂(霊力)が宿る」と昔から考えられています。

例えば、神社のお賽銭で5円を使うのが良いとされているのは、「ご(ご縁)」があるからであるとか、勝負に勝つためにキットカット(きっと勝つ)を食べるというのも言霊の一種。

これらは一見言葉遊びのように感じられますが、良い結果が生まれるように験を担ぐという意味で広く使われており、逆に忌み言葉は使うと不吉なことが起こる言葉として認知されているのです。

葬儀で使ってはいけない3つの種類の忌み言葉とは

葬儀の場で使ってはいけない言葉の種類は、大きく分けて3つの種類に分けられます。

  • 不吉な言葉
  • 重ね言葉
  • 不幸を連想させる言葉

中には、「そんな言葉も使っちゃいけないの?」というものもあるので、遺族や参列者の人々に嫌な思いをさせないためにも必ずチェックしておきましょう。

「死んだ」「死ぬ」などの不吉な言葉

お葬式では、「死んだ」「死ぬ」などの言葉は死や終焉を思わせ、不吉(縁起でもない)と考えられるため使ってはいけません。

「死」という言葉は、「まだ死んじゃだめだよー」「まさか死んじゃうなんて」と亡くなった人に投げかけてしまいがちなので要注意。

悲しい気持ちになってしまって、思わず使ってしまいたくなるのはよくわかりますが、葬儀の中では、あなたと亡くなった人の関係性を、全ての人が理解しているわけではありませんので、マナーとして使うのは控えましょう。

葬儀で使いそうになる不吉な言葉

死ぬ 死んだ 4(死)9(苦) 痛い 離れる 別れる 病気 負ける 生きていた頃 短い 死亡 

不吉な言葉の言い回し

基本的に、葬儀の場で「死」に関するワードを言わない方が無難ですが、突然のことで動揺してつい言いたくなることは充分ありえます。

特定の言い回しをすることで使ってもマナー違反にはなりませんので、失礼にならないためにもしっかりと学んでおきましょう。

忌み言葉(不吉な言葉) 言い回し
生きていた頃 生前(せいぜん)
死ぬ・死んだ 亡くなる・亡くなった
死亡 他界

「いろいろ」「度々」などの重ね言葉

お葬式では、「いろいろ」や「度々」といった重ね言葉を使うことも禁止です。

これは、使用を避けることで不幸なことが続くことを避ける意味を持っていますが、重ね言葉は日常会話で使われることが多いため、思わず出てしまうことも多く、かなり気を使う必要があります。

「死」などの不吉な言葉よりも、意識しなければならないので会話をする前には、自分が何をいうのか先に考えることも必要となるでしょう。

お葬式の際に思わず言いそうになる重ね言葉

いろいろ 度々 いよいよ 重ねて 何度も

重ね言葉の言い回し

重ね言葉は使われるシーンが様々なので、うっかり言ってしまうこともしばしばですが、葬儀場で一度言ってしまうと取り返しがつかないので、言い回しは必須です。

その場で言い回したくても、すぐにワードが出てこないことも多いので、言い回し方は参列前に一度確認しておきましょう。

重ね言葉(忌み言葉) 言い回し
いろいろ 多くの
度々 よく
いよいよ さらに
重ねて 加えて
何度も 頻繁に

「終わる」「別れる」など不幸を連想させる言葉

また、死といった直接的な表現は避けたとしても、「終わる」「別れる」といった不幸を連想させるようなマイナスの言葉は使わないようにしてください。

中でも「別れる」という言葉は、「少しの間だけどお別れだね。」といった亡くなった人との再会を願って使ってしまうことも多いので要注意。

再会を願う場合は「また会おう。」などの明るい表現の言葉遣いを心がけましょう。

お葬式で使いそうになるマイナスイメージの言葉

終わる 別れる 壊れる 戻る 薄い

不幸を連想させる言葉の言い回し

不幸を連想させる言葉は、直接的な表現を避けたが故に言ってしまうことが多いです。

基本的にはポジティブでプラス思考な言葉を心がけておけば、忌み言葉を回避することはできますが、知らず知らずの内に言ってしまうこともあるので、どのような表現をするべきかここで知っておくことは重要です。

不幸を連想させる言葉(忌み言葉) 言い回し
終わる 迎える(ゴール)
別れる 独立
壊れる 変わる
戻る おもむく
薄い うすくない

仏教とキリスト教 宗教によって違う忌み言葉

ここまで3種類の忌み言葉について紹介してきましたが、亡くなった人の宗教によっては、通常の葬儀では使っている言葉でも、忌み言葉になってしまうものが存在しています。

亡くなった人と自分が同じ宗教であれば問題ありませんが、違う宗教であると自分の常識がマナー違反になってしまうことも充分あるので、忌み言葉を充分理解していると思っても一度は確認しておくことが必要です。

仏教の葬儀では「浮かばれない」「迷う」は忌み言葉

仏教のお葬式においては

・浮かばれない
・浮かばれぬ
・迷う

という言葉は忌み言葉になってしまいます。
これは仏教の教えの中に、亡くなった人は極楽浄土に行くという教えがあるためであり、浮かばれないや、迷うという言葉を使うと極楽浄土に行けないという考えがあるからです。

亡くなった人が悔いを残さずに極楽に向かうためにも、「浮かべれないよー」などの言葉は投げかけないように心掛けましょう。

キリスト教では「成仏」や「冥福」などはNG

キリスト教のお葬式に参列する際は、仏教用語である

・成仏
・冥福
・供養
・往生

以上の言葉は、忌み言葉になってしまいます。
仏教では、死後は極楽浄土に向かうという考えですが、キリスト教の教えでは「死は永遠の命の始まり」とされているため、「冥福を祈る」という考え方はしません。

よって仏教用語や「お悔やみ申し上げます。」と言った言葉も使ってはならず、安らかな眠りをお祈りしますと言った言葉を使うのが一般的。

キリスト教のお葬式に参列する場合は、仏教用語と思われる言葉は避け、眠りという言葉を使うように心がけておきましょう。

まとめ:忌み言葉は必ず言い方を換えることが大切

お葬式では、「死ぬ」と言った不吉な言葉や重ね言葉、直接的ではない不幸を連想させる忌み言葉を使ってはいけませんので、忌み言葉に当たるワードを使う場合は、必ず言い回しを変えることが必要です。

場合によっては直接的な表現を避けても、不幸を連想させる言葉を使ってしまったということも考えられるので、遺族や他の参列者にあいさつする前には、自分が何を話すのか事前に考えておくことも大切。

また、亡くなった人の宗教によっては忌み言葉にも変化が出てくるので、参列前に亡くなった人の宗教と、どのような言葉が失礼になるのかを知っておくことも必要なマナーと言えるでしょう。

 

 

 

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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