仏像

仏様にもランクがある!? 仏像に見る4つの階級を紹介

お寺などで見かける仏像、仏様には様々な種類があり実は階級も存在しています。

仏様の階級にはそれぞれ役割があります。それぞれの役割の違いを学ぶと、仏像を見た時に理解の深さが違いますので、神社仏閣巡りをさらに面白いものにしてくれますよ。
この記事でわかること

・仏様の階級
・仏様の特徴
・階級による役割の違い
・階級別の代表的な仏様

仏様の階級

  1. 如来(にょらい)
  2. 菩薩(ぼさつ)
  3. 明王(みょうおう)
  4. 天部(てんぶ)

①如来(にょらい)

 

仏様の世界の中で一番上の階級にあるのが『如来(にょらい)』です。如来は仏教の最高到達点である悟りに達した仏様であり、菩薩を含めた全てにおける先生的な存在。中でも如来の代表格である『釈迦如来(しゃかにょらい)』はこの世界で最初に悟りを開いた仏様であり、仏教の開祖として知られています。

代表的な如来
・釈迦如来(しゃかにょらい)・阿弥陀如来(あみだにょらい)
・薬師如来(やくしにょらい)・大日如来(だいにちにょらい)

如来の特徴

如来は仏様の階級の中でも一番質素な格好をされています。衣一枚を纏った姿が多く、髪の毛は螺髪(らほつ)という貝殻のような髪型をしています。

。如来は大きな慈愛を持っており、全ての仏様と人々の先生であり、お父さん、お母さんでもあります。ちなみの全ての仏像は、釈迦如来を基本に造られていますよ。

如来の役割

如来は悟りを開いていることから、悟りを開いていない人々を苦痛や業(カルマ)から救う役割をになっています。

②菩薩(ぼさつ)

菩薩(ぼさつ)は悟りを開いて如来になる一歩手前の仏様。悟りを開けるようにと日々修行に励みながらも人々に目を向けてくれています。

代表的な菩薩
・文殊菩薩(もんじゅぼさつ)・観音菩薩(かんのんぼさつ)
・弥勒菩薩(みろくぼさつ)・普賢菩薩(ふげんぼさつ)
・地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

菩薩の特徴

菩薩は釈迦如来が悟りを開く前の呼び名です。菩薩は悟りに至る前であることから、釈迦如来が出家する以前の王子様の姿を汲んで、様々な装飾品を身に付けているのが特徴です。また髪形も如来とは異なり、髪を頭の後ろで結んでいる姿をしています。

*地蔵菩薩は例外で、装飾品や髪を結ぶ形をしていません。しかし地蔵菩薩には子供を守ること、弥勒菩薩が来るまで人々を助ける。という大きな役割を持っており、人々の身近な所にいながら常にお守りしてくれています。

菩薩は装飾品を付けていますので仏像も見分けがつきやすいですよ。地蔵菩薩は道路脇など私たちの身近な所に存在していますので見かけたら「いつも守ってくれてありがとう。」と感謝の気持ちを伝えましょう

菩薩の役割

菩薩は悟りに到るために修行をしていますが、修行と並行して人々を救済することを役割とし、人々の苦しみなどに目を向けています。

③明王(みょうおう)

明王(みょうおう)は如来の化身(姿を変えたもの)とされている仏様です。人々を救済することを必死に行っていることから、怒った表情をされている言われています。

代表的な明王
・不動明王(ふどうみょうおう)・孔雀明王(くじゃくみょうおう)
・愛染明王(あいぜんみょうおう)

明王の特徴

明王の特徴は仏様の中でも怒っている顔をされ、煩悩(ぼんのう)を打ち砕く『宝剣(ほうけん)』を持っているのが特徴です。目や手が多いなど人の姿から逸脱している姿も多く、怖さを際立たせる姿は見ているだけでも背筋を正されます。

明王は怒っている顔をされていますが、これは「時に人は怒られないと救われない。」という思いがあるからこそ怒っているのです。学校の先生が子供のためを思って叱るのと同じだと理解してください。

明王の役割

明王の役割は仏の教えに従わない人々、仏の教えに反する人々に怒りを持って仏の正しい教えを説くこと、正しい道に導くことを役割としています。

④天部(てんぶ)

天部は元々インドの神様であり、仏教に取り入れられた仏様です。仏教を守ると同時に人々に幸せを運ぶ神様としても知られています。

代表的な天部
・弁財天(べんざいてん)・帝釈天(たいしゃくてん)
・大黒天(だいこくてん)・吉祥天(きっしょうてん)

天部の特徴

天部は元々多種多様なインドの神様たちであることから人間に近い装いと、姿形が特徴的です。

天部の仏様の中には性別がはっきりされている仏様もおり、他の階級にはない天部ならではの姿形には、どこか親しみを感じるものがあります。

天部の役割

天部には仏教の教えを守り、守護することが役割とされていますが、他にも福の神としての顔を持ち人々に利益を授けることにも神力されています。

まとめ

仏教には多くの仏像が存在します。OO如来、OO菩薩、OO明王などからその仏がどの役割をもっているのかわかるようになりますので、仏様を見つけた時は仏様の名前を少し意識してみるとお寺めぐりを更に楽しむことができますよ。

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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