仏教

【悪い事ってどんなこと?】仏教の五戒律の教えから道徳を学ぼう

仏教には仏教徒として絶対に守らねければならない五戒律(ごかいりつ)という戒律があります。五戒律は仏教における基礎であり、道徳的にも大きな役割をもつ戒律。

五戒律の意味を知ることは、『人としてやってはいけないこと』を知ることです。今回は五戒律の意味を紹介します。

五戒律ってそもそもなに?仏教の戒律って堅苦しくて難しそう。。。
五戒律は人の道を外さないため、自分の心を汚さないために定められた戒律で、簡単に言えば道徳的ルールのことです。日常生活、子供の教育にも大変有効な戒律ですので、五戒律を知れば心正しく生きることができますよ。

五戒律とは

仏教における基本的な戒律で、5つに分けられることから五戒律と言われる。

五戒律で道徳を学ぼう

五戒律は以下の5つの戒律をまとめたものです。一つ一つに意味がありますのでしっかり見ていきましょう。

  1. 不殺生戒(ふせっしょうかい)
  2. 不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
  3. 不邪淫戒(ふじゃいんかい)
  4. 不妄語戒(ふもうごかい)
  5. 不飲酒戒(ふおんじゅかい)

①不殺生戒(ふせっしょうかい)

不殺生戒(ふせっしょう)は、簡単に言うと『生き物を殺さない』ことを指す戒律です。この不殺生戒でいう『生き物』には、人のことだけではなく鳥や魚、昆虫といった全ての動物に当てはまります。特に故意を持っての殺生は重罪であり、許されるものではありません。

命には上下が存在しません。あなたの命も動物の命も同じですから、命ある全てのものは敬いましょう。

②不偸盗戒(ふちゅうとうかい)

不偸盗戒(ふちゅうとうかい)は『盗みをしない』ことを指す戒律。盗むということは盗まれたものが迷惑するだけでなく、その物に関わったものを愚弄する行為であり、盗んだ自分自身の心を汚す行為です。法律だけでなく道徳的にも問題がある行為ですから、絶対にしてはいけません

盗みは一度やってしまうと盗んだ時のスリルや快感から、常習癖がついてしまうものです。自分自身が正しく生きていくためにも不偸盗戒は必ず守りましょう。

③不邪淫戒(ふじゃいんかい)

不邪淫戒(ふじゃいんかい)は、『淫な行為をしないこと』を指す戒律。淫な行為というのは浮気や不倫といった行為や、快楽を求める過剰な性行為をのことを指します。性行為における快楽は強力で、心だけでなく私生活にも影響を与える可能性がありますので、淫な行為はやめましょう。

性行為は大切な行為ですが、快感を求めたり、快感に溺れることはとても危うい行為です。自分の心のためにもいき過ぎた性行為は控えることが大切です。

④不妄語戒(ふもうごかい)

不妄語戒(ふもうごかい)は『嘘をつかない』ことを指す戒律です。日本のことわざに『嘘つきは泥棒の始まり』という言葉があるほど嘘は身近な行為であり、罪の意識が小さいことから犯罪の始まりとも考えられます。1つの小さな嘘が気づけば収拾つかない程大きなことになってしまうのもよくある話。自分自身の生き場を失うことにも繋がりますから小さな嘘をつく事はやめましょう。

不妄語戒は簡単なようで難しい戒律です。自分を強く持つことが大切ですので、自分を律すると共に日頃の言動に注意していきましょう。

⑤不飲酒戒(ふおんじゅかい)

不飲酒戒(ふおんじゅかい)は『お酒を飲まない』戒律です。お酒は判断力を鈍らせると共に、怒りや悲しみなど人の感情に大きな影響を与え、時に大きな問題を引き起こすきっかけとなります。お酒を飲まないことは平常の心を保つことに繋がりますので、飲まないようにするのが良いです。

お酒は心を乱す毒とも考えられます。飲み過ぎは体にも良くありませんので、お酒は飲まないに越したことはありませんよ。

まとめ

五戒律はお坊さんだけでなく、全ての人が道徳を学べる一つのツールとも考えられます。現在では道徳を学ぶことが少なくなっていますから子供たちに『良いこと』『悪いこと』を教えるためにも利用することができるでしょう。五戒律を有効に活用して人生をより良いものにしていただければ幸いです。

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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