今回は機動武闘伝 Gガンダムの主人公であるドモン・カッシュ(以下 ドモン)を通して、仏教の悟りについてのお話をしていきます。
特にスーパーモードとハイパーモードが出てくる「第23話 宿命の闘い! ドモン対デビルガンダム」は、仏教に精通する者としてはとても興味深い内容でした。
本記事は、ちょっと違った角度からドモンについて語るので、Gガン好きはもちろん、仏教好きも必見です!
・スーパーモードとハイパーモードの違い
・ハイパーモードに見る悟りの境地
・意味深いセリフとポーズの意味
目次
機動武闘伝 Gガンダムとは
機動武闘伝 Gガンダムは90年代に放映されたガンダムアニメで、最高視聴率は7.1%とガンダムシリーズの中でも歴代6位に入る人気作。
控えめに言っても作画良し、音楽良しの胸が熱くなる神アニメです。
ドモン・カッシュに悟りの境地を見た!
今回の記事では、機動武闘伝 Gガンダムの第23話「宿命の闘い! ドモン対デビルガンダム」を元に、主人公 ドモンの以下のモードを踏まえて悟りの境地を紹介していきます。
・明鏡止水の心 ハイパーモード
怒りのスーパーモード
23話でドモンのスーパーモードが発動したのは、師である東方不敗にバカにされ、親のカタキである兄キョウジにバカ笑いされたことが発端でした。
スーパーモードは毎回怒りによって発動しますが、この23話の怒り度はちょっと次元が違います。
シャイニングフィンガーソードの時もそうでしたが、もはや主人公の顔ではありません。
ぶっちゃけドモン恐すぎ・・・。
引用元:機動武闘伝 Gガンダム 第23話 「宿命の闘い! ドモン対デビルガンダム」
しかしこの表情は、人間の怒りをとても上手に表現しています。
人が怒る時というのは、ドモンに見るように「この人こんな顔してたっけ?」と思う程恐ろしいものなのです。
そして怒りはとても強力なエネルギーを持っており、自分を見失うほどの爆発力をひめています。
このドモンの姿はまさに自分を見失っている状態。
怒りというスーパーモードはとても強いですが、心と周囲には悪い影響しか与えません。
怒りは3つの煩悩の1つ
怒りは仏教において、3つの煩悩(三毒)の1つと言われています。
貪(とん) | 必要以上にむさぼる(求める)こと |
瞋(じん) | 怒る心 |
痴(ち) | 道徳的な考えを持たず、愚かなこと |
怒ることは、周囲に感情を撒き散らすことであり、事態を悪化させてその人自身をさらに苦しめてしまいます。
人間関係を壊すこともあるため、仏教では怒りに打ち勝つことが必要であると説いているのです。
明鏡止水の心 ハイパーモード
シュバルツに修行するようにと言われたドモンは、ギアナ高地にて怒りのスーパーモードを超えるべく修行に励みます。
しかし残念ながら修行の完成間際にデビルガンダムと、東方不敗が現れてしまいます。
残念ながらドモンはスーパーモードになってしまいますが、その後のシュバルツの援護もあり見事、ハイパーモードである明鏡止水を会得。
引用元:機動武闘伝 Gガンダム 第23話 「宿命の闘い! ドモン対デビルガンダム」
明鏡止水の心の状態に、師である東方不敗も「なんだこの気迫は! 今までのヤツのものとは違う!」と言っていました。
明鏡止水とは、心にわだかまりがなく、澄みきった清らかな心の状態をいう言葉です。
手のポーズは大日如来の智拳印
そして明鏡止水のドモンがとった手のポーズは、大日如来に見られる「智拳印(ちけんいん)」のポーズ!
*手のポーズは、仏教用語で印相(いんぞう)といいます。
仏像のポーズには意味がある。ハンドサインにみる釈迦如来像の意志
引用元:機動武闘伝 Gガンダム 第23話 「宿命の闘い! ドモン対デビルガンダム」
大日如来は、密教において宇宙の真理を表したものであり、宇宙そのものとも言われています。
ドモンは明鏡止水の心になったことで、宇宙の真理を会得したのでしょう。
表情を見ても、先ほどの怒りはなくなり、慈愛ともとれる優しい表情をしています。
怒りと悲しみ、復讐は消えていく
そしてドモンは、東方不敗を倒すと、兄のキョウジとデビルガンダムを破壊しに行きます。
憎いはずのキョウジでしたが、ドモンは怒ることなく攻撃を行います。
この攻撃の際に放った言葉が、「怒りと悲しみ、復讐は消えていく。」
引用元:機動武闘伝 Gガンダム 第23話 「宿命の闘い! ドモン対デビルガンダム」
この言葉が意味することは、ドモンの自我(エゴ)が消え去った証拠と、とらえることができます。
怒りが無くなったではなく消えていった。
ドモンが怒りをおさえているのではなく、あくまで自然な形で怒りが消えていったのが伝わる言葉です。
キョウジに向けられた憎しみや怒りの執着は完全に消え去り、ドモンは悟りの境地へと向かったのでしょう。
まとめ
今回は、Gガンのドモンを軸に悟りの境地をお伝えしました。
スーパーモードという怒りはとても強いものですが、我を忘れてしまう恐ろしいものです。
しかし、自分に「怒る気持ちがある。」ということを知らなければ、悟ること(ハイパーモード)になることはできません。
ドモンのようには、なかなかいきませんが、日頃から怒ることをセーブすることはできます。
まずは怒りを知り、ドモンのように悟れるように意識していきましょう!
きっといつの日か水の一雫が見えることでしょう。
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