仏教

【仏教のことわざ】誰もが知ってる言葉の由来と意味を10紹介!

日本には多くのことわざが存在し、日常の様々な場面で活用されています。今回は古来から存在することわざの中から、仏教に由来する10のことわざを紹介。

仏教に由来することわざは、仏教ならではの表現と深い意味合いを感じると共に、仏教を学ぶこともできますので、仏教を身近に感じる一つのステップとしてもオススメすることができます。

仏教に由来することわざには、普通のことわざとはまた違った深みがあります。仏教用語を含んだ独特な表現や、意味合いを発見することもできるので是非最後までチェックしてください。
この記事でわかること

・仏教のことわざ
・各ことわざの由来
・各ことわざの意味

仏教に由来することわざ10選

今回の仏教に由来することわざは、誰もが一度は聞いたことがある10のことわざをピックアップ!

「聞いたことはあるけど意味は知らないなー。」といったことわざも出てきますので、意味の復習としても改めて見ていきましょう。

  1. 釈迦に説法
  2. 仏の顔も三度まで
  3. 馬の耳に念仏
  4. 三人寄れば文殊の智慧
  5. 嘘も方便
  6. 地獄の沙汰も金次第
  7. 聞いて極楽見て地獄
  8. 鬼に金棒
  9. 弘法も筆の誤り
  10. 念には念を入れよ

①釈迦に説法

釈迦に説法とは、仏教の開祖であるお釈迦様に対して説法を説くことを指したもので、
自分よりもその道に精通した人に対して道理を説く愚かな行為を意味することわざです。

②仏の顔も三度まで

仏の顔も三度までとは「仏の顔を三度撫ずれば腹が立つ」の略であり、慈悲深いお釈迦様でもあっても3度の悪行、無礼をされれば腹をたてずにはいられないことを指したことわざです。

どんなに優しい人でも3度が限界ということを知らしめる教訓の意味を持っています。

③馬の耳に念仏

馬の耳に念仏は、どんなにありがたい説法、念仏を伝えても馬には全く理解できないことを指したことわざ。

どんなに素晴らしい話であっても知識や興味がない人、聞く耳を持たない人には全く伝わらないことを意味し、話しても無駄であることを含んだ言葉として使われます。

④三人寄れば文殊の智慧

三人寄れば文殊の智慧ということわざは、三人集まって智慧を出し合えば文殊菩薩の智慧のような良い考えが浮かぶといった意味合いを持つことわざです。

三人寄れば文殊の智慧における『文殊(もんじゅ)』とは、お釈迦様の十代弟子の1人である文殊菩薩(もんじゅぼさつ)のことを指しています。

文殊菩薩はお釈迦様の十代弟子の中でも特に優れた智慧を持っている菩薩で、日本においては釈迦如来(しゃかにょらい)、普賢菩薩(ふげんぼさつ)と共に並べられ、『釈迦三尊(しゃかさんぞん)』として祀られています。

*智慧とは:真理における知識、理解力を指す仏教用語

ちなみに3人とは大勢の人数のことを指しているとも云われています。

⑤嘘も方便

嘘も方便とは『嘘』も時と場合に寄っては必要であることを意味することわざ。

仏教には不妄語戒(ふもうごかい)という嘘をつくことを禁止する戒律があります。

この不妄語戒における嘘とは、忖度をするものであり、他人を騙したり悪意を持っておこなく行為を指しているもので、他人のことを思って行うものとは別の位置にあります。

よって『嘘も方便』とは良い嘘(他人を思って行なう嘘)は方便と認識し、時には必要なことであることを示したことわざであるのです。

*方便とは:仮の手段を用いて人を導くための行為のこと

⑥地獄の沙汰も金次第

地獄の沙汰も金次第とは、この世はお金さえあればなんでもできるという意味を持ったことわざです。

閻魔大王に大金を渡せば裁判判決が地獄であっても見逃してくれるといった話が由来とされています。

仏教では人が死んであの世に持って行けるのは生前の行いによって積んだ『徳』や業とされています。現金は持って行くことができませんので、地獄に行きたくない人は日頃から良い行いをしていきましょう。

⑦聞いて極楽見て地獄

聞いて極楽見て地獄は、聞いた話と実際に見るとでは大きな差があることを意味することわざです。

極楽(ごくらく)とは仏教の極楽浄土の略語であり、幸福がある場所としての意味も含んでいます。

聞いて極楽見て地獄においては極楽から地獄という喩えによって差がとてつもなく大きいことがよくわか理ますね。

⑧鬼に金棒

鬼に金棒の『鬼」は古くから恐れ怖がられた悪霊などの怪物のことを言います。

鬼に金棒はそんな恐ろしい鬼が金棒を持ったら更に恐ろしいものになることを例えた言葉で、強いものに強いものを与えたらもはや敵なしの意味を持つことわざとして古くから使われています。

⑨弘法も筆の誤り

弘法も筆の誤りとは、平安時代の三筆の1人にも数えられた書道の名人『弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)』でも書を書き損じる事がある。

という旨を持ち、どんなに秀でた才能がある人でも失敗することがあると示していることわざであります。

弘法大師を扱ったことわざには『弘法筆を選ばず。』という、達人は道具を選ばない。といった意味のことわざもあります。

⑩念には念を入れよ

「念には念を入れよ」は「念には念を入れる」ともいわれています。

注意した上で更に注意するといった、細心の注意を払うことの意味を持っていることわざで、昔から日常的に使われています。

仏教用語における『念』は注意するという意味だけではなく、「物をしっかり記憶する」という意味も持ち合わせているので、『念には念を入れよ』からは意識をしっかり持って細心の注意をするという心構えも見受けられます。

まとめ

仏教用語を使用したことわざはどれも意味合いがとても深く、仏教を紐解く上でも大変面白い内容です。

ことわざの意味を理解して使うと意味合いが心にスッと入ってくるので、それぞれの仏教用語を知ると共に、日頃から仏教にまつわることわざを使っていただきたいと思います!

 

ABOUT ME
おてさら君
お寺生まれの長男坊。『仏教は哲学』をモットーに仏教の面白さを世の中に伝えるべく日々自己鍛錬中。ミャンマーやスリランカといったアジア国で上座部仏教の修行経験、日本では納棺師の経験を経ています。自分の煩悩の強さを感じながら『職業は僧侶』ではなく、『生き方が僧侶』を目指し、宗派に属さずお寺と俗世間の間で偏りのない仏教に関する情報を提供中。
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