日本には仏教の宗派が13種類あるとされていますが、実はこの13宗派は全て、『北伝仏教』という一つのくくりにまとめることができます。
意外と知られていませんが、日本だけでなく世界中の仏教が3つの部類に分けることができるのです。
今回の記事では仏教の3つの部類を紹介させていただきます。
・仏教の3つの部類
・各部類が信仰されている国
・3つの仏教の特徴
目次
仏教とは
仏教とは、お釈迦様(ブッダ)が悟った真理の教えです。
古くからアジア圏で信仰されている宗教で、世界三大宗教の1つにも数えられています。
現在では世界中に教えが広まっており、世界に多くの信者をもっています。
仏教は世界で3つの部類に分けられる
仏教は世界中に広まっていますが、部類は以下の3つに分けられます。
- 南伝仏教
- 北伝仏教
- チベット仏教
①南伝仏教(なんでんぶっきょう)
南伝仏教は、日本では一般的に上座部仏教(じょうざぶぶっきょう)。
世界的には、テーラワーダ仏教として知られています。
戒律が厳しい仏教の原点
南伝仏教は、お釈迦様の教えを忠実に守る、仏教の原点です。
教義としては瞑想やお経が主であり、心について学びながら、日常生活で教えを実践する事が大切としています。
戒律が厳しく、お坊さんは結婚や飲酒、また肉食もすることはできません。
財産を持つことも許されないので、生活はあくまで質素。
南伝仏教のお坊さんになる人は、「悟りを開きたい。」「お坊さんになりたい。」といった気持ちをもって出家しているので、生まれた時からあまり欲がないことも特徴に挙げられます。
・スリランカ
・タイ
・ミャンマー
・ラオス
・カンボジア
②北伝仏教(ほくでんぶっきょう)
北伝仏教は、日本では一般的に大乗仏教(だいじょうぶっきょう)。
世界的にはマハーヤーナ仏教として知られています。
みんなで悟りを目指す
北伝仏教は『大きな船』と喩えられることがあります。
この大きな船を北伝仏教に当てはめると、「仏教を学んでいる僧侶だけではなく、周りの全ての人も一緒に救われる。」といった意味合いになるのです。
南伝仏教に比べて北伝仏教は宗派の数がとても多いのが特徴に挙げられます。
宗派の数だけ教義も異なりますが、お経を唱えることは共通事項。
お経を唱えることで、人々が救われるようにと、日々祈りを捧げているのがポイントです。
日本で考えると、北伝仏教の「誰でもが救われる」といった考えが、「お経を唱えれば救われる。」「南無阿弥陀仏と唱えれば、誰でも極楽浄土に行ける。」といった布教の形に現れたのでしょう。
・日本
・中国
・韓国
・台湾
・北朝鮮
③チベット仏教
チベット仏教は、南伝仏教と北伝仏教が合体したようなチベット独自の仏教です。
北伝仏教に伝わっていない南伝仏教の教えや瞑想を取り入れつつ、北伝仏教独自の密教やタントラなども軸にしています。
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論理的に考える仏教
チベット仏教は、仏教の原点である南伝仏教の流れを受けていますが、北伝仏教の考え方も取り入れています。
これは、仏教という教えを広い視野で捉えることが目的であり、体で仏教を理解するための実践の指針にもしているからです。
僧侶たちの間では、仏教の真意を理解するための修行の一貫として、一対一でディベートすることもあります。
「言われたことを鵜呑みにするのではなく、自分自身で考えて理解する」
と言ったことを肌感覚で学び、一人一人が悟りに迎えるように日々精進しているのです。
・チベット(中国の西南部)
・モンゴル
・ブータン
まとめ
世界にある仏教は3つの部類に別れています。
表面的には、「どれも教えが違うんじゃないか」と考えてしまいますが、真理という点ではしっかりと繋がっています。
最近では日本でも南伝仏教の教えが広まりつつありますので、今まで知ることができなかった仏教の教えを新しく知ることもできます。
仏教の解釈というのは人によって合う合わないがありますが、これは宗派や部類によって解消することができるので、自分にあった考えや、宗派を探してみると面白いですよ。