お坊さんは基本的に頭を丸めていますが、そもそもお坊さんがなぜ頭を丸めているのか知っていますか?
あまり知られていませんが、お坊さんが頭を丸めている理由には2つの意味が込められているのです。
この記事では、お坊さんが丸坊主にする理由を紹介しながら、丸坊主に込められた2つの理由を紹介していきます。
・お坊さんが丸坊主の理由
・丸坊主とは何か
・丸坊主ではないお坊さんもいる
目次
そもそも坊主頭とは?
坊主頭とはそもそも丸刈り(まるがり)のことであり、丸刈りはお坊さんの昔からのトレードマークであったことから、丸刈り=坊主頭と言われるようになりました。
ちなみに
・スキンヘッドは剃髪(ていはつ)
・0.5mmの場合は五分刈り(ごぶがり)
とも言われています。
昔のお坊さんはガラスや石などを使って頭を剃っていた
現在のお坊さんは電動のバリカンを使ったり、T字のカミソリで髪の毛を剃り落とすことが主流です。
しかし文明が栄えていなかった時代のお坊さんは、髪の毛をガラスの破片や鋭利に尖らせた石などを使って頭を丸めており、頭皮を傷つけることも多かったとい割れたいます。
なぜ?お坊さんが坊主頭の2つの理由
お坊さんが坊主頭にする理由は2つあります。どちらも仏教の教え、戒めとして大きな意味を持っています。
・お釈迦様にあやかって坊主頭にしている
・煩悩に打ち勝つために坊主頭にしている
お釈迦様にあやかって坊主頭にしている
お釈迦様も元々は坊主頭だった
仏教の開祖であるお釈迦様は、修行をしていたころずっと頭を坊主頭にしていました。
悟りを開いてからお釈迦様は螺髪(らはつ)という髪型になりましたが、修行時代は常に坊主頭にしていたのです。
螺髪とは、髪の毛一本一本がカールしているパンチパーマのような髪型。
奈良の大仏や鎌倉の大仏などに見る事ができます。
坊主頭は修行中の証
また、お釈迦様が修行中ずっと坊主頭にしていたこととから、お釈迦様の弟子であるお坊さんたちは「少しでもお釈迦様に近づけますように」「悟りを開けますように」と師匠であるお釈迦様にあやかって坊主頭にしているのです。
煩悩に打ち勝つために坊主頭にしている
髪の毛は煩悩・欲望の象徴
髪の毛は、切っても切っても直ぐに生えてきますよね。
私達人間の煩悩や欲望も同じで、「〇〇が欲しい。」「〇〇がしたい。」と日々様々なことが湧き上がってきます。
しかもたちが悪いことに「断ち切ったぞ。」と強く思ってもすぐに湧き上がってくるんですよね。
そのため煩悩は髪の毛に例えられ、髪の毛は煩悩の一種の象徴とされているのです。
お坊さんは日々煩悩と戦っている
伸びては剃る髪のごとく、生じた煩悩はかる。
煩悩の象徴である髪の毛を剃ることは、お坊さんが日々現れてくる煩悩と戦っている証でもあります。
髪の毛は短いうちに剃るのは簡単ですが、長く伸びていると剃るのも難しい。
伸びてくると「少しおしゃれな髪型にしてみようかな。」などと煩悩が生じることもありますから、自分の煩悩を増やさないためにも長髪になる前に丸坊主にすることを徹底しているのです。
浄土真宗のお坊さんは髪を伸ばしても大丈夫
教えに沿った有髪(うはつ)
浄土真宗(じょうどしんしゅう)では髪を伸ばしても良いとされています。
浄土真宗の教えは「念仏を唱えれば誰でも救われる」というもので、「念仏を唱えれば誰でも救われる」のだから、わざわざ坊主頭にする必要なしと、教えに基いた考え方があるのです。
他の国のお坊さんと比較しても髪を伸ばすことはかなり珍しいことですが、一般の人々と同じような生活をする「大乗仏教(日本や中国などに広まっている仏教)」からすると、髪の毛を伸ばすことは、他の宗派よりも一般生活にコミットした考え方ですね。
有髪(うはつ)とは髪を剃らないことや、剃っていない人のことを言います。
ちなみに浄土真宗を開いた親鸞(しんらん)というお坊さんも髪を伸ばしていたとされています。
まとめ
お坊さんが坊主頭にする理由は、師匠であるお釈迦様への尊敬などの敬意と、自分自身が修行者であることを自覚するためのものです。
浄土真宗のお坊さんにおいては、髪を伸ばしているお坊さんもいますが、これは宗派の教えに基づいたものであり、大乗仏教の考えを形に表してものとも考えられます。