仏教は考えて知識をつけることだけでなく、実践することが大切です。
しかし実践するといっても何を実践して良いのかわからない方も多いのが事実。
そこで今回は、仏教の教えと具体的な実践方法が含まれた、六波羅蜜(ろくはらみつ)における意味を紹介していきます。
六波羅蜜には、仏教の基本的なの考え方が含まれています。一つ一つの意味合いを理解して仏教を身近に取り入れるきっかけにしてください。
目次
六波羅蜜とは
六波羅蜜(ろくはらみつ)は悟りに至る修行法(波羅蜜)を6つにまとめたもので、大乗仏教の基本的修行体系。
ちなみに波羅蜜は、仏教語であるパーリ語だと『パーラミー』、サンスクリット語では『パーラミター』と言います。
*大乗仏教:日本や中国などに広まった仏教体系の一つ
知識と実践・六波羅蜜の内容とは?
六波羅蜜には以下の6つの波羅蜜がまとめられています。
- 布施(ふせ)
- 持戒(じかい)
- 忍辱(にんにく)
- 精進(しょうじん)
- 禅定(ぜんじょう)
- 智慧(ちえ)
布施(ふせ)
布施は『布施波羅蜜(ふせはらみつ)』や『布施行(ふせぎょう)』とも呼ばれており、執着を捨て人に施すことを旨としています。
布施はされた人だけでなく、布施をした人にも功徳がある行いで、徳を積むだけでなく自分自身の心を洗うものです。
そのため布施は大乗仏教だけでなく全ての仏教において大切にされており、お坊さんだけでなく一般的にも普及しています。
この布施による施しは大きく分けて3つに分けられます。
財施(ざいせ)
財施はお金や衣類、食事などの現物を与える行い。
布施行為の中でも特に自分の執着を捨てることに特化しており、簡単なようでも難しい行いとされます。
法施(ほうせ)
法施は仏の教えを他人説くことを意味します。
仏の教えを説くことは人々を正しい道に導くことであり、結果的に人々の執着を捨てる行為に繋がります。
無畏施(むいせ)
無畏施は災難にあった人の恐怖心などを取り払い助ける行為を意味します。
布施行為の中でも心の救済に目的をおいたもので、身近なものだと悩み相談が無畏施にあたります。
持戒(じかい)
持戒は戒律を遵守することを旨とし、簡単に言えば仏教におけるルールを守ることを指します。
主に十善戒(じゅうぜんかい)における悪い行いの禁止や、四無量心(しむりょうしん)にある心のあり方を実践することが求められており、一般社会においては道徳や法律の遵守が当てはまります。
忍辱(にんにく)
忍辱は苦難や困難を耐え忍ぶことを意味します。
他人による迫害、嫌なことや苦しいことなども含まれており、それらに対して怒らないこと、動揺しないことが根底にあります。
我慢と同じように感じますが、我慢とは心のあり方が違うのが特徴です。
精進(しょうじん)
精進は一心に努力することを意味する言葉です。
仏教における精進は「日々雑念に負けることなく仏の教えを学び、彼岸(悟り)に到達することように努力する」ことが念頭にあります。
八正道においては正精進が相当します。
禅定(ぜんじょう)
禅定とは心を平常に保ち雑念などにとらわれない状態を指す。
主に座禅や瞑想に用いられており、自分自身を冷静に客観視することも意味しています。
八正道においては正定、正念に相当します。
智慧(ちえ)
智慧は見た目や思考に囚われず、物事を正しく見極めることを意味しています。
知恵は仏教の中でも特に大切にされている言葉であり、悟りを得るにあたっても必要不可欠な要素の一つ。
仏教の知識や修行の成果から『智慧が生じた』とも言い、八正道においては正見、正思惟に相当します。
まとめ
六波羅蜜は大乗仏教における基盤です。
六波羅蜜はそれぞれの意味に真理が含まれているものであり、仏教を実践する上での指針ともなります。
日常的に実践することができるの修業なので日々意識して自己を鍛えるのにもオススメです。
自分を律する一つの指針にも活用すると良いでしょう。